視座
新医師臨床研修制度に思う
津村 弘
1
Hiroshi TSUMURA
1
1大分大学・整形外科
pp.1187-1188
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100208
- 有料閲覧
- 文献概要
新医師臨床研修制度が始まって,2年目に入り,来年は臨床研修を終了した医師が誕生する.その人材を確保するため,いわゆる後期臨床研修の勧誘が白熱してきている.
鳴物入りで始まった新医師臨床研修制度は,蓋を開けてみると,研修医の大都会集中を生み出し,地域偏在を加速した.たくさんの研修医が集中した沖縄の病院もあることから,地域偏在は制度の問題ではなく,研修医を集めることができなかった病院の責任と指摘する意見もある.確かに魅力的な研修カリキュラムを提供できさえすれば,研修医を集めることはできるのであろう.しかし,大学病院ですら,わずかのスタッフで日常診療に追われている現状では,通常の病院で“充実した研修”を提供することは至難であることも事実である.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.