Japanese
English
症例報告
乳癌に対する乳房部分切除術後の前腕に生じたStewart-Treves症候群の1例
A case of Stewart-Treves syndrome on the forearm occurring after partial mastectomy for breast cancer
森 ひとみ
1
,
鈴木 利宏
1
,
森 智史
1
,
金井 美馬
1
,
金子 ゆき
1
,
塚田 鏡寿
1
,
林 周次郎
1
,
濱﨑 洋一郎
1
,
井川 健
1
Hitomi MORI
1
,
Toshihiro SUZUKI
1
,
Satoshi MORI
1
,
Miuma KANAI
1
,
Yuki KANEKO
1
,
Kyoju TSUKADA
1
,
Syujiro HAYASHI
1
,
Yoichiro HAMASAKI
1
,
Ken IGAWA
1
1獨協医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Dokkyo Medical University School of Medicine, Tochigi, Japan
キーワード:
Stewart-Treves症候群
,
weekly paclitaxel
,
慢性リンパ浮腫
,
乳癌
Keyword:
Stewart-Treves症候群
,
weekly paclitaxel
,
慢性リンパ浮腫
,
乳癌
pp.895-899
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206494
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要約 72歳,女性.約7年前に左乳癌に対して乳房部分切除・左腋窩リンパ節郭清術および術後化学放射線療法を施行された.乳癌治療後より左上肢にリンパ浮腫を認めていたが,初診の約6か月前より,左前腕屈側に,中央に結節を伴う小児手掌大程度の紫斑が出現した.組織学的検討とあわせてStewart-Treves症候群と診断した.拡大切除術ののちにweekly paclitaxelおよび放射線療法を施行し,初診から15か月経過した現在のところ再発・転移を認めていない.Stewart-Treves症候群は,悪性軟部組織腫瘍のうち約1〜2%と稀なきわめて悪性度の高い腫瘍であり,治療ガイドラインはいまだ確立されていない.乳癌術後の慢性リンパ浮腫を経て発症し急速に拡大するため,症状が進行してから診断され,治療に難渋したとする報告例が多い.しかし本症例は発症後数か月で診断され,病変も局所的である早期発見例であり,局所切除や化学放射線療法の集学的治療により,良好な経過を得ることができたと考えた.
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