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今月の症例
Stewart-Treves症候群の1例
A case of Stewart-Treves syndrome
梅原 嘉一
1
,
山本 晃三
1
,
矢野 正一郎
1
,
松本 誠一
2
Kaichi UMEHARA
1
,
Kozo YAMAMOTO
1
,
Shoichiro YANO
1
,
Seiichi MATSUMOTO
2
1国際医療福祉大学三田病院皮膚科
2公益財団法人がん研究会有明病院整形外科
1Division of Dermatology,International University of Health and Welfare Mita Hospital,Tokyo,Japan
2Division of Orthopedic Surgery,The Cancer Institute Hospital of JFCR,Tokyo,Japan
キーワード:
Stewart-Treves症候群
,
リンパ浮腫
,
血管肉腫
Keyword:
Stewart-Treves症候群
,
リンパ浮腫
,
血管肉腫
pp.474-478
発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103327
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要約 70歳,女性.1987年に子宮癌の手術.術後より左下肢リンパ浮腫が出現した.2010年3月より左下腿前面に皮疹が出現した.徐々に拡大したため,2010年6月当科を受診した.左下腿前面に径9.9×9.7cm大の圧痛を伴う,中心部に黒色変化を伴う比較的境界明瞭な暗赤色扁平隆起性皮膚腫瘍があり,周囲に大豆大までの衛星病変を認めた.ダーモスコピーでは全体的にblue-whitish veilを呈し,一部出血斑・紅斑・血管成分と思われる箇所を認めた.組織学的に真皮上層から皮下組織にかけてびまん性に紡錘形で核の大小不同,分裂像を伴う異型細胞がスリット状構造を呈して増殖していた.異型細胞は第VIII因子,ビメンチン強陽性,CD34陰性で,Ki-67標識率はほぼ100%であった.皮膚血管肉腫と診断した.子宮癌術後のリンパ浮腫に合併したStewart-Treves症候群と考えた.四肢の慢性リンパ浮腫を伴う症例では,血管肉腫の出現の可能性を常に考えて経過観察することが重要である.
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