Japanese
English
症例報告
背部に生じた皮下型平滑筋肉腫の1例
A case of superficial subcutaneous leiomyosarcoma on the back
安藤 かおり
1
,
岩瀬 優子
1
,
水谷 和広
1
,
西川 恵理
2
Kaori ANDO
1
,
Yuko IWASE
1
,
Kazuhiro MIZUTANI
1
,
Eri NISHIKAWA
2
1協立総合病院皮膚科
2協立総合病院病理診断科
1Division of Dermatology, Kyoritsu General Hospital, Nagoya, Japan
2Division of Pathology, Kyoritsu General Hospital, Nagoya, Japan
キーワード:
表在性平滑筋肉腫
,
皮下型平滑筋肉腫
,
悪性軟部腫瘍
,
背部
Keyword:
表在性平滑筋肉腫
,
皮下型平滑筋肉腫
,
悪性軟部腫瘍
,
背部
pp.889-893
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206493
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要約 69歳,男性.1か月前より背部に皮下腫瘍が出現し増大した.右背部に6cm大の表面常色,可動性良好な弾性皮下腫瘍を認めた.MRIでは境界明瞭な多房性皮下腫瘍を認め,全摘標本の病理組織所見では真皮深層に被膜を有する腫瘍を認めた.腫瘍は血管成分に富む紡錘形異型細胞が増殖,免疫染色ではデスミン,α-smooth muscle actin,カルデスモン,カルポニンが陽性.以上より皮下型平滑筋肉腫と診断した.拡大切除のため軟部腫瘍治療の専門施設に紹介し追加広範切除術を施行した.平滑筋肉腫は稀な軟部悪性腫瘍である.軟部悪性腫瘍は一般的に表面平滑で可動性も比較的良好なため良・悪性の判断が困難である.しかし,良性の場合は緩徐に増大するのに対し悪性腫瘍は月単位で急性増大することが多いため問診が重要となる.急速に発育する5cm以上の皮下腫瘍を見た場合,境界明瞭,可動性良好であっても,本症のような悪性軟部腫瘍の可能性を考慮すべきと考えた.
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