Japanese
English
症例報告
Stewart-Treves症候群の1例
A case of Stewart-Treves syndrome
青木 明恵
1
,
畑 康樹
1
,
山田 晴義
1
,
木村 俊次
1
Akie AOKI
1
,
Yasuki HATA
1
,
Haruyoshi YAMADA
1
,
Shunji KIMURA
1
1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kyosai Tachikawa Hospital
キーワード:
Stewart-Treves症候群
,
子宮癌術後
,
慢性リンパ浮腫
,
rIL−2
Keyword:
Stewart-Treves症候群
,
子宮癌術後
,
慢性リンパ浮腫
,
rIL−2
pp.443-446
発行日 1995年5月1日
Published Date 1995/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901552
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63歳,女性.既往歴に昭和59年子宮癌にて広汎子宮全摘術施行.その後コバルト治療を受け,9年前より右下肢の浮腫出現.初診の2ヵ月前に右大腿の腫瘤に気づく.初診時,右大腿伸側に表面紫紅色調,小指頭大の皮下腫瘤を2個認めた.組織像では真皮内に腫瘍細胞が充実性または赤血球を含んだ管腔を形成して増殖しており,細胞の大小不同が認められた.これらの細胞は第VIII因子関連抗原陽性を示した.分化型血管肉腫を疑い,拡大切除術施行.術後3ヵ月して植皮部周辺に3ヵ所の硬結を触れたため摘出.さらに1ヵ月後右大腿から下腿にかけて3ヵ所の硬結が出現したため,rIL−2 40万単位/日局注を行った.4週間後には硬結はほとんど消失した.局注は副作用も少なく,9ヵ月経った現在,再発・転移なく患者は生存中である.Stewart-Treves症候群に対してrIL−2を投与した症例は本邦でもまだ少なく,早期病変には有効であると思われたので報告した.
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