Japanese
English
症例報告
タクロリムス外用が著効した形質細胞性亀頭包皮炎の1例
A case of plasma cell balanitis successfully treated with tacrolimus
加藤 寿香
1
,
小林 麻友子
1
,
島田 京香
1
,
吉野 春香
1
,
石井 健
1
,
石河 晃
1
Hisaka KATO
1
,
Mayuko KOBAYASHI
1
,
Kyoka SHIMADA
1
,
Haruka YOSHINO
1
,
Ken ISHII
1
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
キーワード:
開口部形質細胞症
,
形質細胞性亀頭包皮炎
,
Zoon's balanitis
Keyword:
開口部形質細胞症
,
形質細胞性亀頭包皮炎
,
Zoon's balanitis
pp.539-544
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206414
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要約 84歳,男性.初診2か月前から亀頭部に疼痛および瘙痒を伴わないびらんが出現し拡大した.前医を受診し外用治療をしたが改善せず,当科を紹介受診した.初診時亀頭部両側面から後面,冠状溝周囲にかけて紅色のびらん局面がみられた.血液検査にて梅毒血清反応陰性.皮膚生検を施行した.病理組織像は真皮浅層に多数の形質細胞とリンパ球がみられ,免疫染色にてCD79aは真皮ほぼ全層の多数の細胞に陽性であった.以上より形質細胞性亀頭包皮炎と診断した.タクロリムス軟膏外用を開始したところ著効し2週間で急速に上皮化し,その後現時点まで再燃はみられていない.本邦での形質細胞性亀頭包皮炎のタクロリムス外用報告例は過去に1例のみであった.またタクロリムス軟膏外用報告例に関して形質細胞性亀頭包皮炎に限らず開口部形質細胞症に検索範囲を広げたところ,口唇に奏効した例は多く報告されていた.亀頭部に関しても良い適応と考えられた.
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