Japanese
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症例報告
タクロリムス軟膏外用が奏効した形質細胞性亀頭包皮炎の1例
A case of plasma cell balanitis successfully treated with topical tacrolimus
欠田 成人
1
Masato KAKEDA
1
1済生会松阪総合病院皮膚科
1Division of Dermatology, Saiseikai Matsusaka General Hospital, Matsusaka, Japan
キーワード:
形質細胞性亀頭包皮炎
,
タクロリムス
,
開口部形質細胞症
,
plasma cell balanitis
,
表在エコー
Keyword:
形質細胞性亀頭包皮炎
,
タクロリムス
,
開口部形質細胞症
,
plasma cell balanitis
,
表在エコー
pp.329-334
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206939
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要約 70歳台,男性.初診5か月前から陰茎亀頭部に無症候性のびらんが出現,前医で抗菌薬やステロイドの外用を行ったが,びらんは拡大した.初診時,亀頭部背側に8×6 mmのびらんを伴う12 mm大の紅色局面を認めた.病理組織像は真皮内に異型性のない形質細胞の稠密な浸潤を認め,浸潤細胞はCD138陽性,κ鎖λ鎖に偏りはなく,形質細胞性亀頭包皮炎と診断した.Strongestクラスのステロイド外用を行ったが変化なく,タクロリムス軟膏外用を開始後2週間で急速に上皮化し1か月で皮疹は消失した.本邦における形質細胞性亀頭包皮炎の報告例は約30例あり,ステロイド外用が奏効しない例も多い.近年本症に対するタクロリムス軟膏外用の奏効例が国内外より報告されている.奏効機序は現時点では不明であるが,ステロイド抵抗性の形質細胞性亀頭包皮炎には侵襲的な外科的切除の前段階でのタクロリムス軟膏外用は治療選択の1つであると考えた.
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