Japanese
English
症例報告
骨髄異形成症候群に合併し腋窩に広範な潰瘍を形成した壊疽性膿皮症の1例
A case of pyoderma gangrenosum with a large ulceration on the axillary region associated with myelodysplastic syndrome
菅野 秀美
1
,
佐藤 洋平
1
,
早川 順
1
,
桑原 彩子
2
,
高山 信之
2
,
大山 学
1
Hidemi KANNO
1
,
Yohei SATO
1
,
Jun HAYAKAWA
1
,
Ayako KUWAHARA
2
,
Nobuyuki TAKAYAMA
2
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2杏林大学医学部第2内科
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
2Second Department of lnternal Medicine, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
骨髄異形成症候群
,
ステロイド
,
治療反応性
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
骨髄異形成症候群
,
ステロイド
,
治療反応性
pp.1101-1105
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205597
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要約 55歳,男性.健診で白血球減少を指摘されるも放置していた.初診2週間前より右腋窩〜前胸部に皮疹を自覚し,急速に拡大したため受診した.初診時,右腋窩に15×12cmの膿海に覆われ中央に潰瘍形成を伴う境界明瞭な紅斑局面を認めた.病理組織学的に好中球主体の炎症細胞浸潤を認め,血管炎の所見はなかった.抗菌薬を投与したが皮疹は拡大した.臨床経過,病理組織所見より壊疽性膿皮症(pyoderma gangrenosum:PG)と診断した.また,高度の貧血があり骨髄検査にて骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes:MDS)と診断された.ステロイド内服にて潰瘍は徐々に上皮化したが.MDSは治療抵抗性であった.過去のPG・MDS合併例ではステロイド全身投与にて自験例同様,PGの経過は良好だが,MDSの病勢は増悪したとする症例が多く,両者の病勢は相関しない可能性が示唆された.
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