Japanese
English
症例報告
Eccrine spiradenomaの2例—臨床的特徴と組織学的構築との関連についての考察
Two cases of eccrine spiradenoma:The relationship between clinical feature and pathological structure
福井 香苗
1
,
下田 由莉江
1
,
佐藤 洋平
1
,
山崎 好美
1
,
下山田 博明
2
,
早川 順
1
,
大山 学
1
Kanae FUKUI
1
,
Yurie SHIMODA
1
,
Yohei SATO
1
,
Yoshimi YAMAZAKI
1
,
Hiroaki SHIMOYAMADA
2
,
Jun HAYAKAWA
1
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2杏林大学医学部病理学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
2Department of Pathology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
Eccrine spiradenoma
,
S100蛋白
,
明調細胞
,
疼痛
,
自発痛
Keyword:
Eccrine spiradenoma
,
S100蛋白
,
明調細胞
,
疼痛
,
自発痛
pp.329-334
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205358
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要約 症例1:39歳,男性.自発痛を伴う背部の連珠状皮下結節.症例2:44歳,男性.前額部の圧痛を伴う単発性皮下結節.いずれも病理組織学的にeccirne spiradenoma(ES)と診断した.症例1は症例2と比較し複数の腫瘍疱巣からなり,より複雑な構築であった.また,前者は自発痛を伴ったが,後者は軽度の圧痛を伴うのみであった.そこで,疼痛と組織学的構築に相関がある可能性を考え,過去の当施設のES症例を合わせて,両者の関連性について検討した.興味深いことに自験例を含めた5例では,腫瘍胞巣の数が多い,分葉しているなど複雑な組織学的構築を示すESほど,疼痛が強い傾向があった.また,S100蛋白強陽性の汗腺明調細胞由来と考えられる腫瘍細胞の割合は,構築が複雑なESほど高かった.これらの所見は汗分泌による腫瘍緊満がESの疼痛の一因とする説を支持するものと考えた.
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