Japanese
English
症例報告
ヨコヅナサシガメによる刺咬症の2例
Two cases of Reduviidae-bite by Agriosphodrus dohrni
小林 憲
1
,
竹下 みずほ
1
,
尾立 冬樹
1
,
石崎 純子
2
,
美田 敏宏
3
Ken KOBAYASHI
1
,
Mizuho TAKESHITA
1
,
Fuyuki ORYU
1
,
Sumiko ISHIZAKI
2
,
Toshihiro MITA
3
1立川相互病院皮膚科
2東京女子医科大学東医療センター皮膚科
3東京女子医科大学国際環境・熱帯医学教室
1Department of Dermatology,Tachikawa Sougo Hospital,Tachikawa,Japan
2Department of Dermatology,Tokyo Woman's Medical University Medical Center East,Tokyo,Japan
3Department of International Affairs Topical Medicine,Tokyo Woman's Medical University,Tokyo,Japan
キーワード:
サシガメ刺咬症
,
ヨコヅナサシガメ
,
帰化昆虫
Keyword:
サシガメ刺咬症
,
ヨコヅナサシガメ
,
帰化昆虫
pp.173-177
発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102521
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要約 症例1:33歳,男性.植木職人.仕事中に左手を虫に刺された.症例2:5歳,男児.自宅前の木で見つけた虫を手で捕まえようとしたところ,右第2指を刺された.いずれも立川市内で発生.症例1は受傷から1時間30分後に受診し,2つの刺し口を有し,発赤,腫脹を伴う有痛性硬結を認めた.症例2は受傷30分以内で受診し,刺し口と周囲の紫斑のみであった.いずれの症例も持参した虫はヨコヅナサシガメと同定された.ヨコヅナサシガメは,1928年九州で初めて確認されたインドから中国原産の帰化昆虫で,1990年以降生息域を急速に拡大し,近年関東での生息も確認されている.不用意な接触で口吻に刺され,受傷直後より強い疼痛が生じ,1時間ほどの経過で有痛性硬結と周囲の発赤腫脹を呈する.今回が関東での初めての報告例である.生息域の拡大に伴い,サシガメ刺咬症の症例が増加すると予想される.
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