Japanese
English
症例報告
有茎性腫瘤を呈した肛囲乳房外Paget病の1例
A case of pedunculated perianal extramammary Paget's disease
下田 由莉江
1
,
佐藤 洋平
1
,
吉池 沙保里
1
,
磯村 杏耶
2
,
下山田 博明
2
,
早川 順
1
,
大山 学
1
Yurie SHIMODA
1
,
Yohei SATO
1
,
Saori YOSHIIKE
1
,
Aya ISOMURA
2
,
Hiroaki SHIMOYAMADA
2
,
Jun HAYAKAWA
1
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2杏林大学医学部病理学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
2Department of Pathology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
乳房外Paget病
,
有茎性
,
肛門管腺癌
,
Paget現象
Keyword:
乳房外Paget病
,
有茎性
,
肛門管腺癌
,
Paget現象
pp.923-928
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205234
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要約 61歳,女性.数か月前から肛門左側に皮疹を自覚し,当科を紹介され受診した.初診時,主として肛門左側に拡がる浸軟した紅斑局面内に有茎性腫瘤を認めた.病理組織像では胞体の明るい細胞が表皮内・真皮内へ増殖・浸潤し,鑑別として乳房外Paget病と,肛門管癌等のPaget現象を考えた.過去の報告では,肛囲で有茎性腫瘤を呈する頻度は後者のほうが高く,前者と主に術後療法が異なるため,鑑別が重要となる.自験例では免疫染色にて腫瘍細胞がcytokeratin(CK)7とGCDFP-15に陽性,CK20陰性を示し,有茎性腫瘤を呈する稀な乳房外Paget病と診断しえた.便秘や子宮脱術後などの因子が関与し特異な臨床像を呈したと推察した.有茎性腫瘤を呈する乳房外Paget病は,急速に増大する傾向があり,リンパ節転移を認める頻度が高いため,早急に転移巣の検索を行い治療することが必要と考える.
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