Japanese
English
症例報告
イオパミドールによる急性汎発性発疹性膿疱症の1例
A case of acute generalized exanthematous pustulosis induced by iopamidol
片桐 正博
1
,
小田 充思
1
,
天野 真希
1
,
並木 剛
1
,
横関 博雄
1
Masahiro KATAGIRI
1
,
Atsushi ODA
1
,
Maki AMANO
1
,
Takeshi NAMIKI
1
,
Hiroo YOKOZEKI
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Tokyo Medical and Dental University, Tokyo, Japan
キーワード:
イオパミドール
,
ヨード造影剤
,
急性汎発性発疹性膿疱症
,
薬疹
,
パッチテスト
Keyword:
イオパミドール
,
ヨード造影剤
,
急性汎発性発疹性膿疱症
,
薬疹
,
パッチテスト
pp.295-300
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206305
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要約 64歳,女性.イオパミドール(イオパミロン®370)を用いた造影CT施行後翌日より全身に紅斑が出現し,5日後には40℃の発熱を認めたため当科受診となった.当科受診時,軀幹・四肢に浸潤を伴う米粒大の紅斑が散在し,腰部や大腿には非毛包性小膿疱を伴っていた.細菌・真菌培養は陰性だった.組織では角層下膿疱と表皮内に海綿状態を伴う好中球浸潤があり,真皮上層は浮腫状で,リンパ球・組織球を主体とし好酸球を混じる炎症細胞浸潤を認めた.イオパミドールのDLSTは陰性だったがパッチテストは陽性であり,イオパミドールによる急性汎発性発疹性膿疱症と診断し,常用薬継続のまま補液とステロイド外用にて軽快した.またイオパミドール以外の非イオン性ヨード造影剤はいずれもパッチテスト陽性で,イオン性ヨード造影剤はすべてパッチテスト陰性であった.ヨード造影剤による重症薬疹の症例では,被疑薬の同定だけでなく,使用可能な造影剤検索も行うことが望ましい.
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