症例
急性汎発性発疹性膿疱症との鑑別を要したメキシレチン塩酸塩による薬剤性過敏症症候群の1例
高木 佐千代
1
,
加藤 愛
,
苅谷 清徳
,
鈴木 周五
1名古屋市立東部医療センター 皮膚科
キーワード:
Mexiletine
,
Prednisolone
,
鑑別診断
,
心房細動
,
パッチテスト
,
経口投与
,
急性汎発性発疹性膿疱症
,
薬剤性過敏症症候群
Keyword:
Administration, Oral
,
Atrial Fibrillation
,
Diagnosis, Differential
,
Mexiletine
,
Patch Tests
,
Prednisolone
,
Acute Generalized Exanthematous Pustulosis
,
Drug Hypersensitivity Syndrome
pp.1696-1701
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017077889
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69歳女性。メキシレチン塩酸塩内服開始約1ヵ月後より両上肢に皮疹が出現し近医を受診、接触性皮膚炎として抗アレルギー薬を処方されるも改善せず、皮疹が拡大したため、著者らの皮膚科へ紹介となった。初診時、体幹・四肢に多形紅斑を認め、3日後には皮疹が増悪し、全身倦怠感を伴ったため入院となった。入院時、両側腹部と大腿内側には暗赤色の紅斑上に粟粒大で毛孔不一致の小膿疱が散在し、膿疱は数日で消退したものの、紅斑は遷延した。経過中に発熱、リンパ節腫脹、好酸球の上昇、軽度の肝機能障害、ヒトヘルペスウイルス6型の再活性を認めたことから、本症例はメキシレチン塩酸塩による薬剤性過敏症症候群と診断された。治療としてメキシレチン塩酸塩の中止、プレドニゾロンの内服を行なったところ、紅斑は徐々に軽快し、経過良好であった。尚、本症例は発疹学的には急性汎発性発疹性膿疱症に近似しており、鑑別を要した。
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