Japanese
English
症例報告
月経周期に伴って出血を繰り返した毛細血管奇形の1例
A case of capillary malformation with repeated bleeding during the menstrual period
鳥越 美月
1
,
成田 陽子
1
,
大山 学
1
Mizuki TORIGOE
1
,
Yoko NARITA
1
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University Faculty of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
血管奇形
,
月経周期
,
エストロゲン
,
プロゲステロン
,
受容体
Keyword:
血管奇形
,
月経周期
,
エストロゲン
,
プロゲステロン
,
受容体
pp.301-306
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206306
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要約 49歳,女性.10年前から胸部に皮疹を自覚し,1年前から月経周期に伴い出血するようになったため当科を受診した.初診時は月経中であり,左胸部に紫紅色丘疹を認めたが,月経終了に伴い縮小,平坦化した.異所性子宮内膜症を疑い,皮疹が最小化した時期に切除した.病理組織学的所見では子宮内膜組織は認めず,真皮浅層に,内皮細胞に異型性のない拡張した毛細血管の増生を認めたため,毛細血管奇形と診断した.月経周期に伴い出血を繰り返したため性ホルモンの関与を考え,免疫組織化学的検討を行った.エストロゲン受容体は陰性でプロゲステロン受容体は微弱陽性であった.月経周期に伴い変化することが知られている皮膚疾患として異所性子宮内膜症の報告が多いが,過去にも自験例と同様の変化を示した血管奇形の報告があり鑑別すべき疾患の1つとして重要と思われた.
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