Japanese
English
症例報告
苔癬型組織反応と好酸球性海綿状態を呈した日光表在播種型汗孔角化症の1例
A case of disseminated superficial actinic porokerarosis with lichenoid tissue reaction and eosinophilic spongiosis
宮下 奈月
1
,
宮下 和也
1
,
松本 優香
1
,
小川 浩平
1
,
宮川 史
1
,
小豆澤 宏明
1
,
浅田 秀夫
1
Natsuki MIYASHITA
1
,
Kazuya MIYASHITA
1
,
Yuka MATSUMOTO
1
,
Kohei OGAWA
1
,
Fumi MIYAGAWA
1
,
Hiroaki AZUKIZAWA
1
,
Hideo ASADA
1
1奈良県立医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Nara Medical University, Kashihara, Japan
キーワード:
日光表在播種型汗孔角化症
,
苔癬型組織反応
,
好酸球性海綿状態
,
アミロイド沈着
Keyword:
日光表在播種型汗孔角化症
,
苔癬型組織反応
,
好酸球性海綿状態
,
アミロイド沈着
pp.323-328
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205988
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要約 73歳,女性.初診4か月前から四肢にみられる軽度の瘙痒を伴う環状の角化性局面を主訴に受診した.臨床像と病理組織学的所見より日光表在播種型汗孔角化症と診断した.初診1か月後より瘙痒が増悪し,汗孔角化症の皮疹に一致して紅斑が出現した.初診3か月後に再度施行した皮膚生検では,苔癬型組織反応と好酸球性海綿状態を認めた.ベタメタゾン0.25mg/日および抗ヒスタミン薬の長期内服を行い,紅斑はほぼ退色し,軽度の角化を残すのみとなった.苔癬型組織反応や好酸球性海綿状態を認める汗孔角化症の報告は多数あるが,両者の併存が記述されている報告は調べえた限り自験例が3例目であった.汗孔角化症の経過中に,苔癬型組織反応による急な炎症が引き起こされる場合があり,それにより,自然消退することを念頭に置くべきと考えた.
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