Japanese
English
症例報告
ベキサロテン投与と光線療法が奏効したCD8陽性菌状息肉症の1例
A case of CD8+ mycosis fungoides treated with bath PUVA therapy and bexarotene
小林 由佳
1
,
西田 絵美
1
,
鳥居 寛
1
,
松原 章宏
1
,
村松 伸之介
1
,
正木 彩子
2
,
稲垣 宏
2
,
森田 明理
1
Yuka KOBAYASHI
1
,
Emi NISHIDA
1
,
Kan TORII
1
,
Akihiro MATSUBARA
1
,
Shinnosuke MURAMATSU
1
,
Ayako MASAKI
2
,
Hiroshi INAGAKI
2
,
Akimichi MORITA
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科加齢・環境皮膚科学
2名古屋市立大学大学院医学研究科臨床病態病理学
1Department of Dermatology, Nagoya City University School of Medicine, Nagoya, Japan
2Department of Pathology and Molecular Diagnostics, Nagoya City University School of Medicine, Nagoya, Japan
キーワード:
CD8陽性菌状息肉症
,
ベキサロテン
Keyword:
CD8陽性菌状息肉症
,
ベキサロテン
pp.251-257
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205972
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要約 55歳,女性.初診9年前から体幹に瘙痒を伴う紅斑が出現,初診1か月前より体幹四肢に潰瘍が出現した.初診時,体幹四肢に浸潤を伴う紅斑,その一部に潰瘍を認めた.病理組織所見を含めてCD8陽性菌状息肉症と診断した.入院後より光線療法およびベキサロテンの投与を開始,皮膚症状は徐々に改善し,入院後第53日目にはmSWATは119から53に低下,皮膚病変は部分寛解となった.第182病日にはmSWATは17まで低下,潰瘍は消退した.第198病日にはCT画像で腫大していた両側鼠径部のリンパ節の縮小を認め,病理組織所見でも表皮の菲薄化,真皮浅層のリンパ球の減少を確認した.本症例は光線療法とベキサロテン内服の併用により部分寛解を得たCD8陽性菌状息肉症の初めての症例報告である.光線療法とベキサロテン内服の併用はCD8陽性菌状息肉症の治療法の1つとして期待されると考えられた.
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