Japanese
English
症例報告
熱傷瘢痕に生じたSMA陽性異型線維黄色腫の1例
A case of SMA-positive atypical fibroxanthoma arising in a burn scar
松原 章宏
1
,
村松 伸之介
1
,
福山 隆一
2
,
加藤 裕史
3
,
森田 明理
3
Akihiro MATSUBARA
1
,
Shinnosuke MURAMATSU
1
,
Ryuichi FUKUYAMA
2
,
Hiroshi KATO
3
,
Akimichi MORITA
3
1JA愛知厚生連江南厚生病院皮膚科
2JA愛知厚生連江南厚生病院病理診断科
3名古屋市立大学大学院医学研究科加齢・環境皮膚科学
1Division of Dermatology, Konan Kosei Hospital, Konan, Japan
2Division of Pathology, Konan Kosei Hospital, Konan, Japan
3Department of Geriatric and Environmental Dermatology, Nagoya City University, Nagoya, Japan
キーワード:
異型線維黄色腫
,
熱傷
,
SMA
Keyword:
異型線維黄色腫
,
熱傷
,
SMA
pp.417-421
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206074
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要約 77歳,男性.幼少期,右前額部に熱傷を負い,瘢痕治癒していた.初診数か月前から熱傷瘢痕に出血を伴う紅色結節が出現したため当科を受診した.全摘生検の皮膚病理組織所見より異型線維黄色腫と診断した.再建は全層植皮術を行い,術後12か月間再発はない.異型線維黄色腫ではSMAが陽性となる群が存在し,平滑筋肉腫の診断へとミスリードされることがある.自験例でもSMAが一部陽性であったことから,当初平滑筋肉腫を考えたが,多核巨細胞が散在している点に着目し,CD10,CD99の免疫染色を追加することで異型線維黄色腫の診断に至った.悪性像を示す紡錘形細胞腫瘍がビメンチン,SMA陽性を示した場合,平滑筋肉腫だけでなく,異型線維黄色腫を鑑別に加えることが重要であると考えられる.
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