Japanese
English
原著
免疫賦活療法の奏効した菌状息肉症の1例
A Case of Mycosis Fungoides Treated with Immunostimulants
森岡 真治
1
,
種田 明生
1
,
小川 秀興
1
,
須田 耕一
2
Shinji MORIOKA
1
,
Akio TANEDA
1
,
Hideoki OGAWA
1
,
Koichi SUDA
2
1順天堂大学皮膚科教室
2順天堂大学臨床病理学教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Juntendo University
2Department of Clinical-Pathology
pp.149-154
発行日 1979年2月1日
Published Date 1979/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202020
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LevamisoleとOK—432による免疫賦活療法の奏効した菌状息肉症の1例を報告した.自験例ではステロイドは有効であったが糖尿病併発のため長期使用は不可能な状態であり,かつ他の各種化学療法剤には抵抗を示したため,Levamisole,OK—432による免疫賦活療法を施行した.その結果,臨床症状の劇的寛解を認めた.本治療後の病理組織学的検索では,異常増殖していた腫瘍細胞の消腿をみ,成熟した組織球の増加をみた.免疫学的検索ではリンパ球絶対数の増加,PHA刺激によるリンパ球幼若化反応の増強,CH50値の異常高値を認めたが,陰性であったツ反・DNCB Testについては治療開始60日後の寛解状態にある現在も陽転化をみない.LevamisoleおよびOK—432の正確な作用機序はまだ不明であるが,悪性腫瘍患者にこれらを用いた免疫賦活療法は今後期待がもてると思われる.
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