Japanese
English
症例報告
CD8とCD56に陽性を示した菌状息肉症の1例
A case of CD8 and CD56 double positive mycosis fungoides
柳瀬 正平
1
,
井上 卓也
1
,
村中 友加里
1
,
杉田 和成
1
Shohei YANASE
1
,
Takuya INOUE
1
,
Yukari MURANAKA
1
,
Kazunari SUGITA
1
1佐賀大学医学部内科学講座皮膚科
1Division of Dermatology, Department of Internal Medicine, Saga University, Faculty of Medicine, Saga, Japan
キーワード:
CD8陽性
,
CD56陽性
,
菌状息肉症
Keyword:
CD8陽性
,
CD56陽性
,
菌状息肉症
pp.684-688
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207380
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 58歳,男性.30年前より腰部に皮疹が出現した.当院初診時,下腹部から腰部にかけてpoikilodermaの所見を呈していた.皮膚病理組織学的に,表皮真皮境界部を主体に核クロマチンの増加したリンパ球浸潤がみられ,表皮向性を示していた.免疫組織学的に浸潤する異型リンパ球はCD3陽性であり,これらはCD8,CD56にも陽性を示した.またgranzyme Bは一部陽性,CD4,CD30は陰性であった.T細胞レセプターに単クローン性の遺伝子再構成は認めなかった.臨床所見,皮膚病理組織所見からCD8とCD56陽性の菌状息肉症と診断した.光線療法とステロイド外用により皮疹は軽快した.これまでに自験例を含め14例のCD8陽性CD56陽性の報告がある.CD8陽性CD56陽性の菌状息肉症は稀であり,poikilodermaを呈することが多いとされる.しかしこれらの特徴は治療効果や予後に影響しないことが示唆された.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.