Japanese
English
症例報告
治療抵抗性リンパ増殖性好酸球増多症候群の1例
A refractory case of lymphoid variant hypereoisnophilic syndrome
加藤 あずさ
1
,
三宅 智子
1
,
濱田 利久
1
,
花山 宜久
2
,
森実 真
1
,
岩月 啓氏
1
Azusa KATO
1
,
Tomoko MIYAKE
1
,
Toshihisa HAMADA
1
,
Yoshihisa HANAYAMA
2
,
Shin MORIZANE
1
,
Keiji IWATSUKI
1
1岡山大学医学部皮膚科学講座
2岡山大学医学部総合内科学講座
1Department of Dermatology, Okayama University Faculty of Medicine, Okayama, Japan
2Department of General Medicine, Okayama University Faculty of Medicine, Okayama, Japan
キーワード:
リンパ増殖性好酸球増多症候群
,
好酸球
,
エトポシド
Keyword:
リンパ増殖性好酸球増多症候群
,
好酸球
,
エトポシド
pp.983-989
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205885
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要約 70歳台,男性.3年前から皮膚瘙痒を自覚し,2年前から四肢に水疱と多形紅斑様皮疹が出現した.水疱症や薬疹として加療されるも改善なく,当科へ紹介され受診した.初診時,四肢体幹に浸潤性紅斑が散在し,末梢血好酸球数は1,534/μlと上昇していた.病理組織学的に,表皮の海綿状態と真皮内の好酸球浸潤を認めた.その後,環状紅斑,水疱,Tripe palmと多彩な皮膚症状が出現し,好酸球値は20,000/μl台まで上昇した.鑑別診断として,薬剤性,水疱症,血管炎,悪性腫瘍随伴,接触皮膚炎,寄生虫感染症は否定した.さらに,FIP1L1-PDGFRA融合遺伝子などの遺伝子変異がなく,末梢血単核球中に複数の優位のT細胞クローンを認め,リンパ増殖性好酸球増多症候群と診断した.副腎皮質ホルモンの内服や点滴を行ったが,完全には病勢を抑えられず,免疫抑制剤やエトポシドを導入した.今回複雑になりがちな好酸球増多例の診断の流れをまとめるとともに,治療としてエトポシドの可能性を示唆した.
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