Japanese
English
症例
膵癌に合併した膵性脂肪織炎の1例
Pancreatic panniculitis associated with pancreatic cancer
星野 優
1
,
木村 友梨
1
,
神田 泰洋
1
,
梅林 芳弘
1
Yu HOSHINO
1
,
Yuri KIMURA
1
,
Yasuhiro KANDA
1
,
Yoshihiro UMEBAYASHI
1
1東京医科大学八王子医療センター,皮膚科(主任:梅林芳弘教授)
キーワード:
膵性脂肪織炎
,
皮下結節性脂肪壊死症
,
膵癌
,
膵酵素
,
ヘマトイジン
Keyword:
膵性脂肪織炎
,
皮下結節性脂肪壊死症
,
膵癌
,
膵酵素
,
ヘマトイジン
pp.77-80
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004954
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62歳,女性。体幹と下肢に暗赤色調の有痛性結節が多発していた。病理組織学的に,真皮から皮下脂肪織にかけて,密な炎症細胞浸潤,出血,ヘモジデリン,脂肪細胞の壊死がみられた。また,脂肪織内に黄褐色調の沈着物が多数観察され,ヘマトイジンと推定した。血液検査でアミラーゼは正常範囲内であったが,リパーゼ,膵ホスホリパーゼA2,エラスターゼ,トリプシン,α1アンチトリプシンはすべて上昇していた。腹部CTで,腹腔内に10cm大の腫瘤があり,超音波内視鏡下穿刺吸引生検で膵腺房細胞癌と診断された。膵性脂肪織炎は膵炎ないし膵癌に合併するが,膵癌の合併例ではアミラーゼが上昇しないことが多く,他の膵酵素の測定が望ましい。
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