マイオピニオン
乾癬治療における病診連携—理想と現実の狭間
橋本 由起
1
Yuki HASHIMOTO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座
pp.848-849
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205855
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1. 乾癬治療の進歩
近年乾癬治療の進歩は目覚ましく,特に乾癬治療薬のうち生物学的製剤(以下,バイオ)は最先端のバイオテクノロジー技術を用いて生成された薬剤である.わが国では2010年1月にインフリキシマブとアダリムマブが登場し,その後もさまざまな生体内物質を標的としたバイオが発売されている(8剤,2019年8月19日現在).
バイオの治療効果は既存の治療法と比較し即効性があり,皮疹への治療効果はもちろんのこと,今まで難治性であった乾癬性関節炎,膿疱性乾癬,乾癬性紅皮症などに対する有効性も高く,乾癬患者のQOL向上に寄与していることは間違いないと考える.しかし,薬剤費は決して安価ではなく,患者負担と医療費増加の要因となっていることも現実である.
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