Japanese
English
症例報告
外科的切除とボリコナゾール内服が奏効したExophiala oligospermaによる黒色菌糸症の1例
A case of phaeohyphomycosis by Exophiala oligosperma successfully treated with surgical resection and systemic voriconazole
林 昌浩
1
,
川口 雅一
1
,
村田 壱大
1
,
齊藤 亨
1
,
二階堂 まり子
1
,
矢口 順子
1
,
佐野 文子
2
,
鈴木 民夫
1
Masahiro HAYASHI
1
,
Masakazu KAWAGUCHI
1
,
Ichidai MURATA
1
,
Toru SAITO
1
,
Mariko NIKAIDO
1
,
Yoriko YAGUCHI
1
,
Ayako SANO
2
,
Tamio SUZUKI
1
1山形大学医学部皮膚科
2琉球大学農学部
1Department of Dermatology, Yamagata University Faculty of Medicine, Yamagata, Japan
2Faculty of Agriculture, University of the Ryukyus, Okinawa, Japan
キーワード:
黒色菌糸症
,
Exophiala oligosperma
,
ボリコナゾール
,
外科的切除
Keyword:
黒色菌糸症
,
Exophiala oligosperma
,
ボリコナゾール
,
外科的切除
pp.639-645
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205806
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要約 46歳,女性.36歳の時に多発性筋炎と診断され,以後ステロイド,複数の免疫抑制薬を内服中.初診の約1か月前から左下腿に肉芽様腫瘤が出現し,徐々に増大した.当初の生検では非特異的炎症所見であり診断に難渋したが,腫瘤は徐々に増大し,切除生検にて表皮の偽癌性増殖と真皮内に淡褐色でPAS陽性の菌糸と,sclerotic cellを認めた.サブローデキストロース寒天培地(25℃,28日間)で黒灰色綿毛状のコロニー発育を認め,遺伝子解析でExophiala oligospermaによる黒色菌糸症と診断した.局所麻酔下に切除・植皮を行い術後にイトラコナゾール内服,温熱療法を併用したが術後4か月に切除部近傍に再発.再切除し術後はボリコナゾール内服に変更したところ,以後再発はない.黒色菌糸症は多くは日和見感染症として発症するため治療に難渋することも多く,症例ごとに治療を組み合わせて柔軟に対応する必要がある.
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