Japanese
English
症例
小指球に生じたExophiala jeanselmeiによる黒色菌糸症の1例
Phaeohyphomycosis caused by Exophiala jeanselmei on the left hypothenar
野村 史絵
1
,
二ッ谷 剛俊
1
,
石倉 祐貴
1
,
望月 隆
1
,
金原 拓郎
2
Fumie NOMURA
1
,
Taketoshi FUTATSUYA
1
,
Yuuki ISHIKURA
1
,
Takashi MOCHIZUKI
1
,
Takurou KINBARA
2
1金沢医科大学,皮膚科(主任:望月 隆教授)
2金原皮膚科医院,石川県河北郡内灘町
キーワード:
Exophiala jeanselmei
,
黒色菌糸症
,
深在性皮膚真菌症
,
KOH直接鏡検法
Keyword:
Exophiala jeanselmei
,
黒色菌糸症
,
深在性皮膚真菌症
,
KOH直接鏡検法
pp.119-122
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002363
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78歳,男性。悪性関節リウマチでプレドニゾロンを15mg/日内服中。1カ月前から右小指球に小豆大の小結節が出現し,抗菌薬の内服を行ったが改善しなかった。小結節は熱感や発赤を伴わず,圧迫により少量の膿が排出された。膿のKOH直接鏡検法で暗色の短い菌糸が容易に検出された。真菌培養では黒色真菌が培養され,分離菌はリボソームRNA遺伝子のITS領域の塩基配列からExophiala jeanselmeiと同定された。自験例は,多種の薬剤を使用中の高齢者であり,また病巣も単発の小結節であったため切除術のみを施行した。術後4カ月は再発なく経過したが,その後他疾患で永眠された。小さな病変であれば切除後経過観察と必要に応じての治療でコントロール可能と考えられた。
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