Japanese
English
症例報告
Exophiala jeanselmeiによる黒色菌糸症の1例
A case of dermatiaceous fungal infection with subcutaneous phaeohyphomycosis caused by Exophiala jeanselmei
木村 摩耶
1
,
宮本 亨
1
,
村瀬 智子
2
,
亀井 克彦
3
,
矢口 貴志
3
,
青山 裕美
4
Maya KIMURA
1
,
Toru MIYAMOTO
1
,
Tomoko MURASE
2
,
Katsuhiko KAMEI
3
,
Takashi YAGUCHI
3
,
Yumi AOYAMA
4
1津山中央病院皮膚科
2津山中央病院臨床検査部
3千葉大学真菌医学研究センター
4岡山大学病院皮膚科
1Division of Dermatology,Tsuyama Central Hospital,Tsuyama,Japan
2Division of Laboratory,Tsuyama Central Hospital,Tsuyama,Japan
3Medical Mycology Research Center,Chiba University,Chiba,Japan
4Division of Dermatology,Okayama University Graduate School of Medicine
キーワード:
黒色菌糸症
,
Exophiala jeanselmei
,
イトラコナゾール
,
温熱療法
Keyword:
黒色菌糸症
,
Exophiala jeanselmei
,
イトラコナゾール
,
温熱療法
pp.253-257
発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103200
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要約 86歳,男性.23年間関節リウマチにて加療され,8年前よりリウマチ性多発筋痛症の診断にてプレドニゾロン内服治療を開始し10mg/日で内服継続中である.約2か月前より右手背に腫瘤を生じ徐々に多発してきたため当科を受診した.右手背に母指頭大から鳩卵大のやや柔らかい膿瘍が多発しており,一部排膿していた.MRI所見にて骨破壊像を認めた.皮膚病理組織像ではPAS染色にて囊腫壁内にさまざまな形の淡褐色の菌糸と酵母様細胞を認め,硬壁細胞(sclerotic cell)や顆粒はみられなかった.以上より黒色菌糸症(phaeohyphomycosis)と診断した.また培養形態と塩基配列から本菌をExophiala jeanselmeiと同定した.骨破壊像があり外科的治療で根治が難しいと判断し手術を行わず排膿とイトラコナゾール内服を開始した.一時結節の新生を認めたため温熱療法を併用し病変の縮小を認めた.比較的まれな黒色菌糸症を経験したので報告する.
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