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特集 最近のトピックス2012 Clinical Dermatology 2012
2.皮膚疾患の病態
蜂窩織炎に続発したアナフィラクトイド紫斑―蜂窩織炎とアナフィラクトイド紫斑の合併例の検討
Anaphylactoid purpura following phlegmone:Retrospective analysis of anaphylactoid purpura associated with phlegmone
牛込 悠紀子
1
,
成田 陽子
1
,
平原 和久
1
,
塩原 哲夫
1
Yukiko USHIGOME
1
,
Yoko NARITA
1
,
Kazuhisa HIRAHARA
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Kyorin University School of Medicine,Mitaka,Japan
キーワード:
アナフィラクトイド紫斑
,
anaphylactoid purpura
,
蜂窩織炎
,
溶連菌
Keyword:
アナフィラクトイド紫斑
,
anaphylactoid purpura
,
蜂窩織炎
,
溶連菌
pp.38-43
発行日 2012年4月10日
Published Date 2012/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103247
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要約 溶血連鎖球菌(溶連菌)は,さまざまな皮膚疾患の原因となることが知られている.われわれは,蜂窩織炎の治療経過中にアナフィラクトイド紫斑(anaphylactoid purpura:AP)を続発し,その間に抗ストレプトリジン(ASO)と抗ストレプトキナーゼ(ASK)の有意な上昇を確認しえた症例を相次いで経験したことより,両疾患の発症に溶連菌の関与を考えた.同様に蜂窩織炎にAPを合併した当教室症例および本邦既報告例を検討したところ,合併例の半数で溶連菌の関与が示唆された.その全例で蜂窩織炎が1週間前後先行しており,皮膚局所に常在する溶連菌が蜂窩織炎の原因となる可能性を考えた.皮膚局所に常在する溶連菌は感染病巣となりうるばかりでなく,しばしば重篤なAPの原因となりうる.
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