Japanese
English
症例報告
蜂窩織炎に続発したアナフィラクトイド紫斑の1例
A case of anaphylactoid purpura following the onset of phlegmone
白石 由佳
1
,
五味 方樹
1
,
満山 陽子
1
,
平原 和久
1
,
水川 良子
1
,
塩原 哲夫
1
Yuka SHIRAISHI
1
,
Masaki GOMI
1
,
Yoko MITSUYAMA
1
,
Kazuhisa HIRAHARA
1
,
Yoshiko MIZUKAWA
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Kyorin University School of Medicine,Mitaka,Japan
キーワード:
蜂窩織炎
,
アナフィラクトイド紫斑
,
溶連菌
,
細菌アレルギー
Keyword:
蜂窩織炎
,
アナフィラクトイド紫斑
,
溶連菌
,
細菌アレルギー
pp.898-901
発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102135
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要約 78歳,男性.初診4日前より発熱を認め,その2日後より右下肢に発赤・疼痛・腫脹が出現した.臨床所見・炎症反応高値より蜂窩織炎と診断し,入院のうえ,抗生剤投与と局所の安静・冷却を行った.解熱傾向は認めたが蜂窩織炎は改善せず,発症6日後には胸部・腹部・四肢に,浸潤を触れる粟粒大の紫斑が出現した.紫斑部の皮膚生検では,表皮・真皮浅層に好中球を混じるリンパ球優位の細胞浸潤と,血管内皮細胞の膨化・腫大,赤血球の血管外漏出を認め,アナフィラクトイド紫斑と診断した.紫斑は出現後9日間で消退したが,蜂窩織炎はその後も遷延した.蜂窩織炎発症1か月後,抗ストレプトリジンO(ASO)287IU/ml・抗ストレプトキナーゼ(ASK)2,560倍と有意な上昇を認め,溶連菌の関与が考えられた.皮膚局所に常在する溶連菌は,蜂窩織炎の原因となるだけでなく,全身性の細菌アレルギーの原因ともなりうると考えた.
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