Japanese
English
症例報告
MRIにて慢性脳虚血性変化を呈した,好酸球増多を伴う若年性側頭動脈炎の1例
A case of juvenile temporal arteritis with eosinophilia with chronic ischemic changes on the brain MRI
竹内 紗規子
1
,
向井 美穂
1
,
稲積 豊子
1
,
澤田 宏子
2
Sakiko TAKEUCHI
1
,
Miho MUKAI
1
,
Toyoko INAZUMI
1
,
Hiroko SAWADA
2
1国家公務員共済組合連合会立川病院皮膚科
2ながせ皮フ科
1Division of Dermatology, Tachikawa Hospital, Tachikawa, Japan
2Nagase Clinic, Tokyo, Japan
キーワード:
若年性側頭動脈炎
,
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
,
巨細胞性動脈炎
,
脳虚血性変化
Keyword:
若年性側頭動脈炎
,
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
,
巨細胞性動脈炎
,
脳虚血性変化
pp.505-510
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205777
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 27歳,男性.既往にアレルギー性鼻炎あり.喫煙再開と同時期に右前額部に皮下結節を生じ徐々に増大した.初診時15×10mm大,微弱な拍動を伴う弾性軟,被覆皮膚との可動性良好な常色皮下結節を認めた.視力障害や疼痛はなかった.血液検査で好酸球増多,血沈正常.表在エコーで拡張した血管壁肥厚と拍動性の血流信号を認めた.頭部MRIで両側大脳白質の慢性虚血性変化が散見された.病理組織学的に動脈壁肥厚,内腔狭窄,好酸球浸潤あり,巨細胞浸潤なし.以上より若年性側頭動脈炎と診断.禁煙後無治療で皮膚症状の再発なし.本症は巨細胞性動脈炎類似の側頭部病変を主症状とするが,全身病変を欠き病理組織像も異なる.しかし自験例で認めた無症候性の脳虚血性変化は全身性血管炎の症状である可能性は否定できない.好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の診断に先行した巨細胞のない側頭動脈炎が報告されており,全身性血管炎への移行を念頭に経過観察が必要である.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.