特集 フィジカル改革宣言! ──診断からフォローアップまで
【疾患別極意!コモンの診断・フォローアップはどうしているか?】
—蜂窩織炎—ビバ! シワ!
忽那 賢志
1
1国立国際医療研究センター 国際感染症センター/国際診療部
キーワード:
蜂窩織炎
,
壊死性筋膜炎
,
A群β溶連菌
,
黄色ブドウ球菌
Keyword:
蜂窩織炎
,
壊死性筋膜炎
,
A群β溶連菌
,
黄色ブドウ球菌
pp.148-150
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200467
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Case
身体診察から蜂窩織炎と診断した一例
患者:80歳台,男性.糖尿病.
現病歴:2日前から,発熱と右下肢の疼痛が出現した.今日になって痛みのため歩行困難となり,当院の救急外来を受診した.来院時,血圧145/92mmHg,脈拍数122回/分,体温38.9℃,呼吸数21回/分であった.右下腿に,比較的辺縁明瞭な発赤・熱感・腫脹を認めた(写真1).
診断:バイタルサインが安定しており,疼痛および圧痛が発赤部位に限局し,発赤部位を超えて疼痛を訴えることはなかったことから壊死性筋膜炎ではなく「蜂窩織炎」と診断した.また,右足関節・膝関節の腫脹を認めず進展屈曲でも疼痛の増強がないことから関節炎の合併はないと考えられた.
治療:来院時よりセファゾリンを開始したところ,入院3日目より発赤腫脹部位の縮小がみられ,腫脹していた部位にシワがみられるようになった.その後,入院7日目にも病変は残存していたものの歩行可能となり,抗菌薬治療を終了し退院となった.
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