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増刊号特集 最近のトピックス2019 Clinical Dermatology 2019
5.皮膚科医のための臨床トピックス
ヒト精漿に対するアレルギー
Human seminal plasma allergy
足立 厚子
1
,
大塚 晴彦
1
,
山野 希
1
,
濵岡 大
1
,
井上 友介
1
,
一角 直行
2
Atsuko ADACHI
1
,
Haruhiko OTSUKA
1
,
Nozomi YAMANO
1
,
Dai HAMAOKA
1
,
Yusuke INOUE
1
,
Naoyuki IKKAKU
2
1兵庫県立加古川医療センター皮膚科
2いっかく皮膚科
1Department of Dermatology, Hyogo prefectural Kakogawa Hospital, Kakogawa, Japan
2Ikkaku Hifuka, Himeji,Japan
キーワード:
ヒト精漿
,
Human seminal plasma allergy
,
イヌ上皮
,
Can f 5
,
prostatic kallikrein
Keyword:
ヒト精漿
,
Human seminal plasma allergy
,
イヌ上皮
,
Can f 5
,
prostatic kallikrein
pp.170-172
発行日 2019年4月10日
Published Date 2019/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205739
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summary
第二子出産後,初めての夫との性交渉後に顔面浮腫,呼吸苦などのアレルギー症状を起こした29歳女性を経験した.夫が採取した精液を遠心分離して得た精漿希釈液を用いたプリックテストが陽性を示し,ヒト精漿アレルギーと診断した.血清特異的IgEでは,ヒト精漿とともに,イヌ上皮にも陽性を示し,イヌアレルゲンコンポーネントでは,r Can f 5(アルギニンキナーゼ,prostatic kallikrein)が高値で,r Can f 1,r Can f 2,r Can f 3は陰性であった.牡イヌ上皮中のCan f 5に感作された場合,その交差反応により,ヒト精漿アレルギーが発症するとの報告がある.自験例は第二子出産前後に里帰りした実家で飼育されていた牡イヌに接触して,イヌ上皮中のCan f 5に感作され,出産前までは無症状であったが,出産後初めての夫との性交渉時にヒト精漿アレルギーを起こしたと考えた.性交渉時のコンドーム使用にて症状の再発はない.
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