Japanese
English
症例報告
セタノール含有の複数の外用剤で接触皮膚炎をきたした1例
A case of contact dermatitis by topical application of several ointments including cetanol
小猿 恒志
1
,
足立 厚子
1
,
西岡 美南
1
,
一角 直行
1
,
佐々木 祥人
1
Takeshi KOZARU
1
,
Atsuko ADACHI
1
,
Mina NISHIOKA
1
,
Naoyuki IKKAKU
1
,
Yosihito SASAKI
1
1兵庫県立加古川医療センター皮膚科
1Division of Dermatology,Hyogo Prefectural Kakogawa Medical Center,Kakogawa,Japan
キーワード:
接触皮膚炎
,
セタノール
,
潰瘍
,
薬疹
,
パッチテスト
Keyword:
接触皮膚炎
,
セタノール
,
潰瘍
,
薬疹
,
パッチテスト
pp.479-483
発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103328
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要約 39歳,女性.低温熱傷による下腿潰瘍に対し,吉草酸酢酸プレドニゾロン(リドメックスコーワクリーム®),トラフェルミン(フィブラストスプレー®),スルファジアジン銀(ゲーベンクリーム®)およびトレチノイントコフェリル(オルセノン軟膏®)による外用治療を受けていたが,難治で,熱傷部周辺に発赤腫脹および全身に掻痒を伴う紅色丘疹を認めた.外用剤などによる接触皮膚炎を疑い,パッチテストを施行し,リドメックスコーワクリーム®,ゲーベンクリーム®およびオルセノン軟膏®が陽性となった.成分濃度ごとのパッチテストにてセタノールが陽性となり,3剤ともに基剤として含まれるセタノールによる接触皮膚炎と診断した.下腿潰瘍は外用剤による接触皮膚炎を併発することが多く,潰瘍難治化の原因となることが多い.とりわけ基剤に対する感作が成立した場合,多数の薬剤が原因となりうる.難治性潰瘍で使用している外用剤のパッチテストを施行し陽性の場合,成分別パッチテストが必須であることを再認識した.
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