Japanese
English
症例報告
直腸瘻を伴う仙骨部褥瘡の1例—放射線晩期障害の影響
A case of sacral decubitus associated with rectal fistula probably due to radiation late effect
野村 友希子
1
,
月永 一郎
1
,
大渕 佳祐
2
,
武田 圭佐
2
Yukiko NOMURA
1
,
Ichiro TSUKINAGA
1
,
Keisuke OBUCHI
2
,
Keisa TAKEDA
2
1KKR札幌医療センター皮膚科
2KKR札幌医療センター外科
1Division of Dermatology, KKR Sapporo Medical Center, Sapporo, Japan
2Division of Surgery, KKR Sapporo Medical Center, Sapporo, Japan
キーワード:
褥瘡
,
直腸瘻
,
陰圧閉鎖療法
,
放射線療法
,
子宮体癌
Keyword:
褥瘡
,
直腸瘻
,
陰圧閉鎖療法
,
放射線療法
,
子宮体癌
pp.113-116
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205632
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要約 84歳,女性.数年前から仙骨部の褥瘡があり,往診診療等で加療されていた.2016年夏頃から摂食困難となり,栄養状態が悪化していた.9月に誤嚥性肺炎にて当院内科へ救急搬送された.入院時,仙骨部に直径6.5cm大のポケットを有する褥瘡を認め,褥瘡から膿汁の排出があった.CT検査では仙骨と直腸の間に膿瘍形成があり,直腸・膿瘍腔・褥瘡の交通を認めた.感染コントロールのため,人工肛門造設術を施行し,膿瘍腔にサンプチューブ®を留置した.サンプチューブ®を使用した持続洗浄や陰圧閉鎖療法,ヨウ素含有軟膏外用などを行った.壊死組織は消失し,感染コントロールは可能となったが,褥瘡は残存した.子宮体癌に対して20年程前に放射線治療を施行した既往があり,直腸瘻の一因と考えられた.
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