Japanese
English
症例報告
仙骨部の褥瘡,褥瘡瘢痕に生じた有棘細胞癌の3例
Three cases of cutaneous squamous cell carcinoma arising in sacral pressure sores
眞鳥 繁隆
1
,
粟澤 遼子
1
,
林 健太郎
1
,
粟澤 剛
1
,
平良 清人
1
,
高橋 健造
1
,
上里 博
1
Shigetaka MATORI
1
,
Ryoko AWAZAWA
1
,
Kentarou HAYASHI
1
,
Tsuyoshi AWAZAWA
1
,
Kiyohito TAIRA
1
,
Kenzo TAKAHASHI
1
,
Hiroshi UEZATO
1
1琉球大学大学院医学研究科皮膚病態制御学講座
1Department of Dermatology, University of the Ryukyus, Graduate School of Medicine, Okinawa, Japan
キーワード:
有棘細胞癌
,
褥瘡
,
瘢痕
Keyword:
有棘細胞癌
,
褥瘡
,
瘢痕
pp.815-819
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104129
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要約 症例1:66歳,女性.50歳頃から車椅子生活となり仙骨部に褥瘡を繰り返していた.再発した褥瘡潰瘍部が腫瘤化し有棘細胞癌と診断した.腫瘍は仙骨,大臀筋へ浸潤し,患者は1年9か月後に腫瘍死した.症例2:83歳,男性.22歳時のマラリア罹患後,仙骨部に褥瘡を形成し瘢痕治癒していた.2年前より再燃した潰瘍部が次第に結節化し有棘細胞癌と診断した.腫瘍は脊椎へ浸潤し,骨転移を生じて7か月後に死亡した.症例3:84歳,女性.19歳時に産褥熱で仙骨部に褥瘡を形成し瘢痕治癒していた.2年前より潰瘍化,腫瘤が出現し有棘細胞癌と診断され,9か月後に腫瘍死した.3例とも仙骨部褥瘡やその瘢痕に生じた中~高分化型有棘細胞癌であり,早期に死亡した.慢性創傷や瘢痕を母地とする有棘細胞癌は転移,再発率が高い.なかでも褥瘡由来のものは診断が遅れ,予後も悪い.褥瘡部の難治性潰瘍や腫瘤を診た場合,積極的な病理組織検査による早期診断が必要と考えた.
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