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特集 細菌感染症
敗血症が疑われたA群溶血性レンサ球菌による蜂窩織炎の1例
Cellulitis caused by group A streptococcus with suspected sepsis
伊與部 怜奈
1
,
西島 千博
1
,
稲沖 真
1
Reina IYOBE
1
,
Chihiro NISHIJIMA
1
,
Makoto INAOKI
1
1金沢医療センター,皮膚科(主任:稲沖 真部長)
キーワード:
敗血症
,
A群レンサ球菌
,
蜂窩織炎
,
quick SOFAスコア
,
LRINECスコア
Keyword:
敗血症
,
A群レンサ球菌
,
蜂窩織炎
,
quick SOFAスコア
,
LRINECスコア
pp.1177-1181
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004048
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74歳,女性。前日の夕方から悪寒,発熱,嘔吐が生じ午前1時に救急外来を受診した。左大腿から下腿にかけて発赤,腫脹があり蜂窩織炎と診断し,クリンダマイシン点滴を開始した。同日午前に意識変容,血圧低下,呼吸数増加のquick SOFAスコアの3項目を満たしたので敗血症を疑い,細胞外輸液の急速補充とメロペネム点滴を追加した。入院2日目にLRINECスコア6点とMRIの炎症所見から壊死性筋膜炎を疑ったが,筋膜切開術で異常はなかった。同日,血液培養のA群レンサ球菌陽性が判明し,点滴をメロペネムからアンピシリンに変更した。その後,諸症状は改善した。重症の蜂窩織炎では,敗血症の合併や壊死性筋膜炎への進展を念頭に置いて迅速に対処する必要がある。
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