Japanese
English
症例報告
メトトレキサート関連リンパ増殖異常症の1例—過去の報告例の集計を添えて
A case of methotrexate-related lymphoproliferative disorder with the summary of previous cases in the literature
永田 寛
1
,
橋川 恵子
1
,
猿田 寛
1
,
石井 文人
1
,
長藤 宏司
2
,
大島 孝一
3
,
名嘉眞 武国
1
Hiroshi NAGATA
1
,
Keiko HASHIKAWA
1
,
Hiroshi SARUTA
1
,
Norito ISHII
1
,
Koji NAGAFUJI
2
,
Koichi OHSHIMA
3
,
Takekuni NAKAMA
1
1久留米大学医学部皮膚科学教室
2久留米大学医学部内科学講座血液・腫瘍内科部門
3久留米大学医学部病理学講座
1Department of Dermatology, Kurume University School of Medicine, Kurume, Japan
2Division of Hematology and Oncology, Department of Medicine, Kurume University School of Medicine, Kurume, Japan
3Department of Pathology, Kurume University School of Medicine, Kurume, Japan
キーワード:
メトトレキサート関連リンパ増殖異常症
,
医原性リンパ増殖異常症
,
びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫
,
関節リウマチ
,
エタネルセプト
Keyword:
メトトレキサート関連リンパ増殖異常症
,
医原性リンパ増殖異常症
,
びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫
,
関節リウマチ
,
エタネルセプト
pp.347-354
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205362
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要約 53歳,女性.初診の7年前に関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)と診断された.5年前にメトトレキサート(MTX)を開始し,4年前よりエタネルセプト(ETN)を併用し加療していた.初診1か月前に出現した右大腿の紅色丘疹が次第に増大し当科を初診した.右大腿部に長径2.5cmと1.2cmの紫紅色結節を認めた.病理組織像では真皮全層から皮下組織に大型細胞が増生していた.大型細胞はCD20,Bcl-6,Bcl-2,MUM-1陽性,CD3,CD10陰性で,EBER in situ hybridizationは陰性であった.びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の組織像を呈し,MTX投与中であることから,MTX関連リンパ増殖異常症と診断した.MTXとETNを中止後に結節は消退した.その後5年間以上にわたり再発は認めていない.過去の報告例の集計と自験例の経過を合わせて考えるとMTX中止のみで改善するかを適切に判断することは重要と考える.
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