Japanese
English
特集 日常診療に潜むリンパ腫・リンパ増殖性疾患―リンパ腫との鑑別が問題になる関連疾患―
(総説)
4.重症蚊刺アレルギーとEBウイルス関連リンパ増殖異常症
-―リンパ腫との鑑別が問題になる関連疾患―
Severe mosquito bite allergy and EB-virus-associated lymphoproliferative disorders
濱田 利久
1
Toshihisa HAMADA
1
1国際医療福祉大学医学部,皮膚科学
キーワード:
重症蚊刺アレルギー
,
EBウイルス
,
慢性活動性EBウイルス病
,
種痘様水疱症
,
リンパ増殖異常症
Keyword:
重症蚊刺アレルギー
,
EBウイルス
,
慢性活動性EBウイルス病
,
種痘様水疱症
,
リンパ増殖異常症
pp.1776-1783
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004240
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
・重症蚊刺アレルギーは,小児に発症する非常にまれなEBウイルス関連のリンパ増殖性疾患で,慢性活動性EBウイルス病や種痘様水疱症リンパ増殖異常症と同一スペクトラムである。
・おもに蚊刺部の強い局所反応に続いて,高熱やリンパ節腫脹,肝機能障害など臓器障害を発症し,蚊刺部は深い潰瘍を呈して,2~3週間の経過で瘢痕治癒する。間欠期には無症状である。
・ごく一部の症例で自然軽快するが,経過中に慢性活動性EBウイルス病への移行や,EBウイルス関連血球貪食性リンパ組織球症を併発しうるなど,進行性に経過し生命予後は不良である。
・病変部皮膚にCD56陽性NK細胞が浸潤し,EBER(EBV-encoded small RNA)陽性細胞を認める。
・末梢血中にNK細胞増多があり,EBウイルスDNA量の増加を認める。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.