Japanese
English
症例報告
局所再発とin-transit転移をきたした外陰部皮膚粘液癌の1例
A case of primary mucinous carcinoma of the skin manifesting local recurrence and in-transit metastasis
伊藤 有亜
1
,
福山 雅大
1
,
早川 順
1
,
千葉 知宏
2
,
柴原 純二
2
,
大山 学
1
Aria ITO
1
,
Masahiro FUKUYAMA
1
,
Jun HAYAKAWA
1
,
Tomohiro CHIBA
2
,
Junji SHIBAHARA
2
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2杏林大学医学部病理学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
2Department of Pathology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
皮膚粘液癌
,
神経内分泌分化
,
局所再発
,
in-transit転移
Keyword:
皮膚粘液癌
,
神経内分泌分化
,
局所再発
,
in-transit転移
pp.629-633
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205487
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要約 78歳,女性.初診3年前より左外陰部に紅色丘疹を認め,徐々に増大したため当科を受診した.初診時,左外陰部に径30mm大の表面平滑な紅色結節を認めた.病理組織学的に,真皮浅層から深層にかけて薄い線維性隔壁で区切られた大小さまざまな腫瘍胞巣があり,腫瘍細胞は好酸性の細胞質やクロマチンに濃染する核を有していた.免疫組織学的所見にてCK7陽性,CK20陰性で,chromogranin Aとsynaptophysinが陽性であった.以上より神経内分泌分化を伴う皮膚粘液癌と診断し拡大切除術を行った.しかし3年後および4年後に外陰部周囲に紅色結節が新生し,病理組織学的に皮膚粘液癌の再発およびin-transit転移と診断した.皮膚粘液癌は局所再発率の高い悪性腫瘍であるが,本邦の再発例は2年以内に生じている症例が多い.しかし自験例のように2年以上経過し再発する症例もあるため,長期的な経過観察が必要である.
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