Japanese
English
症例報告
こめかみに生じた皮膚粘液癌の1例
A case of mucinous carcinoma of the skin in the temple
伊東 可寛
1
,
龍神 操
1
,
五味 博子
1
,
福積 聡
2
,
山崎 一人
3
,
石田 康夫
3
,
早川 和人
1
Yoshihiro ITO
1
,
Misao RYUJIN
1
,
Hiroko GOMI
1
,
Satoshi FUKUDUMI
2
,
Kazuto YAMAZAKI
3
,
Yasuo ISHIDA
3
,
Kazuhito HAYAKAWA
1
1帝京大学ちば総合医療センター皮膚科
2帝京大学ちば総合医療センター形成外科
3帝京大学ちば総合医療センター病理部
1Department of Dermatology, Teikyo University Medical Center, Ichihara, Japan
2Department of Plastic Surgery, Teikyo University Medical Center, Ichihara, Japan
3Department of Pathology, Teikyo University Medical Center, Ichihara, Japan
キーワード:
皮膚粘液癌
,
免疫組織化学染色
,
再発
,
転移性皮膚腫瘍
,
切除範囲
Keyword:
皮膚粘液癌
,
免疫組織化学染色
,
再発
,
転移性皮膚腫瘍
,
切除範囲
pp.1057-1061
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204622
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要約 73歳,男性.10年前より左こめかみに結節を認め,徐々に増大していた.初診時,常色から淡紅色のドーム状に隆起した径2cmの結節を認めた.頭部CTで腫瘍の深達度を確認の上,辺縁から4mm離し浅筋膜を含めて切除した.病理組織所見は真皮浅層から皮下組織にかけて比較的境界明瞭な線維性隔壁で境界される多房性囊胞様病変を認め,好酸性の胞体で類円形の腫大した核を有する腫瘍細胞が粘液湖に浮遊していた.他臓器に腫瘍性病変を認めず,皮膚粘液癌と診断した.欠損部には全層植皮を施行し,術後1年の時点で局所再発および転移を認めない.本症は整容的な配慮が必要とされる頭頸部に好発するが,局所再発率が高いため切除範囲を拡大して切除する傾向にある.しかし術前に画像検査で深達度を確認し,深部マージンを含めた適切な切除範囲の設定が再発を防ぐために重要と考えた.
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