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特集 最近のトピックス2013 Clinical Dermatology 2013
4.皮膚疾患治療のポイント
悪性黒色腫のin-transit転移―予後を考慮した治療戦略
In-transit metastasis of malignant melanoma:Therapeutic strategy in consideration of prognosis
竹之内 辰也
1
Tatsuya TAKENOUCHI
1
1新潟県立がんセンター新潟病院皮膚科
1Division of Dermatology, Niigata Cancer Center Hospital, Niigata, Japan
キーワード:
悪性黒色腫
,
in-transit転移
,
予後
,
subtotal integumentectomy
Keyword:
悪性黒色腫
,
in-transit転移
,
予後
,
subtotal integumentectomy
pp.132-136
発行日 2013年4月10日
Published Date 2013/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103628
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要約 悪性黒色腫のin-transit転移(in-transit metastasis:ITM)は所属リンパ節までの皮膚・皮下へのリンパ行性転移であり,多くは再発様式として認められる.その取り扱いにはいまだ明確な指針がなく,治療選択に苦慮する場面が多い.当院で再発として経験したITM 18例について,治療経過と予後についての解析を行った.13例において遠隔転移が続発し,11例が原病死した.ITM発現後の生存期間中央値は36か月,5年生存率は34%で,初回再発様式別の比較では所属リンパ節転移,遠隔転移よりも生存期間が長い傾向がみられた.ITMに対する治療は可能であれば外科的切除が第一選択となるが,その目的はあくまで局所制御としての意味合いが強く,広範切除が予後の改善に寄与するというエビデンスはない.現在,進行期悪性黒色腫に対する新規抗癌剤の導入が進められており,ITMの治療戦略も今後は大きく変動していくものと予想される.
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