Japanese
English
症例報告
ケラトアカントーマ様外観を呈した低色素性悪性黒色腫の1例
A case of hypomelanotic malignant melanoma mimicking keratoacanthoma
伊藤 有亜
1
,
福山 雅大
1
,
早川 順
1
,
大山 学
1
Aria ITO
1
,
Masahiro FUKUYAMA
1
,
Jun HAYAKAWA
1
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
低色素性悪性黒色腫
,
ケラトアカントーマ
,
ダーモスコピー
Keyword:
低色素性悪性黒色腫
,
ケラトアカントーマ
,
ダーモスコピー
pp.249-253
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205662
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要約 88歳,男性.初診5か月前より右耳後部に小結節が出現した.初診時,同部位に径8mm大のドーム状に隆起し中央に血痂を付す結節を認めた.臨床的特徴からケラトアカントーマを考えたが,ダーモスコピー所見では結節辺縁に色素性病変を示唆するgray-brown pigment structureを認めた.病理組織学的に異型な腫瘍細胞から成る腫瘍胞巣を認め,胞巣の一部にはメラニンが沈着していた.免疫染色所見とあわせ低色素性悪性黒色腫と診断した.低色素性悪性黒色腫はメラニン色素が少なく紅色調を呈するため,臨床的にケラトアカントーマとの鑑別を要することがある.自験例のようにダーモスコピーで色素性病変を示唆する所見をみた場合には経過観察とせず低色素性悪性黒色腫も念頭に置き全摘生検を積極的に検討することが重要であると考えた.
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