Japanese
English
症例報告
口腔粘膜,軀幹四肢に多発したレボフロキサシンによる固定薬疹の1例
A case of multiple fixed drug eruption on the oral mucosa, trunk and extremities due to levofloxacin
赤芝 知己
1,2
,
石河 晃
3
,
岩渕 千雅子
1
Tomomi AKASHIBA
1,2
,
Akira ISHIKO
3
,
Chikako IWABUCHI
1
1日産厚生会玉川病院皮膚科
2東京都保健医療公社荏原病院皮膚科
3東邦大学医学部皮膚科学講座
1Division of Dermatology, Nissan Tamagawa Hospital, Tokyo, Japan
2Division of Dermatology, Ebara Hospital, Tokyo, Japan
3Department of Dermatology, Toho University School of Medicine, Faculty of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
多発固定薬疹
,
レボフロキサシン
,
DLST
,
パッチテスト
Keyword:
多発固定薬疹
,
レボフロキサシン
,
DLST
,
パッチテスト
pp.505-511
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205457
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要約 49歳,男性.初診1週間前より眼のひりひり感と口内炎が出現.2日前より軀幹四肢と陰囊に疼痛を伴う紅斑,亀頭部にびらんが出現したため,当科を受診した.初診時,臍周囲,背部,左大腿部に境界明瞭な小豆大から鶏卵大までの浸潤を触れる紅斑が散在していた.左第1指間に大豆大の淡い紅斑,陰囊に紅斑あり,亀頭部には小豆大までのびらんが見られた.多発固定薬疹を疑ったが内服歴はフェキソフェナジンのみだった.プレドニゾロン10mgの内服を開始し皮疹は改善したが,第6病日に増悪した.詳細な問診により,皮疹出現前のレボフロキサシン(LVFX)の内服歴が判明した.病理組織像は表皮の一部で基底層の液状変性,真皮浅層にはメラノファージが散見され,LVFXによる多発固定薬疹と診断した.薬剤リンパ球刺激試験とパッチテストは陰性であった.固定薬疹は誘発を繰り返し多発型へ移行して重篤となる場合もあり,原因薬剤の確定が重要である.
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