Japanese
English
症例報告
ミノサイクリン塩酸塩・レボフロキサシン注射薬の併用が有効であった日本紅斑熱の1例
A case of Japanese spotted fever successfully treated by intravenous minocycline and levofloxacin
吉賀 哲郎
1
,
平島 昌生
1
Tetsuro YOSHIGA
1
,
Masao HIRASHIMA
1
1独立行政法人労働者健康福祉機構中国労災病院皮膚科
1Division of Dermatology, Japan Labour Health and Welfare Organization Chugoku Rosai Hospital, Kure, Japan
キーワード:
Japanese spotted fever
,
日本紅斑熱
,
ニューキノロン
,
ミノサイクリン
,
レボフロキサシン
Keyword:
Japanese spotted fever
,
日本紅斑熱
,
ニューキノロン
,
ミノサイクリン
,
レボフロキサシン
pp.1099-1104
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205277
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要約 68歳,女性.初診1か月前から2日に一度の頻度で山に筍掘りに行っていた.初診3日前より39℃を超える発熱と倦怠感が出現し,初診1日前から軀幹・四肢に自覚症状のない爪甲大までの淡い紅斑が出現し,倦怠感が強く歩行困難となった.血液検査で血小板数が6.1×104/μlと低下し,肝機能障害を伴った.血液と右頸部の痂皮においてRickettsia japonica DNAが陽性で,Orientia tsutsugamushi DNA,SFTS virus RNAは陰性であり,日本紅斑熱と診断した.ミノサイクリン塩酸塩200mg/日の点滴加療をしたが,発熱が39℃を超え症状の改善がみられなかったため,入院3日目よりレボフロキサシンの点滴を併用したところ速やかに解熱し歩行可能な状態となった.重症化や難治化が疑われる症例では,早期からミノサイクリン塩酸塩・レボフロキサシン注射薬の併用も検討すべきと思われた.
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