Japanese
English
症例報告
フェノトリン外用が奏効した乳児疥癬の1例
A case of infantile scabies successfully treated by the application of phenothrin
赤芝 知己
1
,
石河 晃
2
,
岩渕 千雅子
1
Tomomi AKASHIBA
1
,
Akira ISHIKO
2
,
Chikako IWABUCHI
1
1日産厚生会玉川病院皮膚科
2東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
1Division of Dermatology, Tamagawa Hospital, Tokyo, Japan
2Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University(Omori), Tokyo, Japan
キーワード:
乳児疥癬
,
フェノトリン
,
ペルメトリン
,
acropustulosis of infancy
Keyword:
乳児疥癬
,
フェノトリン
,
ペルメトリン
,
acropustulosis of infancy
pp.271-276
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205344
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要約 8か月,男児.初診1か月前から軀幹・四肢に瘙痒のある皮疹が出現した.初診時,体幹の紅斑と手指足底の潮紅,小水疱と紅色丘疹を認めた.鏡検では疥癬虫卵・虫体は検出できず,乳児湿疹としてプレドニゾロン吉草酸酢酸エステルの塗布を開始したが,翌日母親が近医にて疥癬と診断されたため再診した.右手掌の小水疱と右足底の線状皮疹より疥癬虫卵,虫体を検出し,乳児疥癬と診断した.フェノトリンを顔面を含む体全体に1週間隔で計2回の外用を行った.1回塗布後7日目に体幹のびまん性紅斑が出現するも,一過性でその他の副作用はなかった.2回目外用後,足底の漿液性丘疹は残るも,潮紅,疥癬トンネルは消失し20日後に治癒と判定した.フェノトリンは乳幼児への保険適応はあるものの,症例の蓄積がないことより,保護者への説明と承諾が必要である.小児と同様に,乳児にもフェノトリンを第一選択薬として推奨するためには,今後症例の蓄積が必要である.
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