Japanese
English
症例報告
インフリキシマブの二次無効後,アダリムマブが奏効した表在型壊疽性膿皮症の1例
A case of superficial pyoderma gangrenosum successfully treated with adalimumab after secondary loss of efficacy of infliximab
静川 寛子
1
,
岩本 和真
1
,
田中 麻衣子
1
,
平郡 隆明
1
,
秀 道広
1
,
身原 京美
2
Hiroko SHIZUKAWA
1
,
Kazumasa IWAMOTO
1
,
Maiko TANAKA
1
,
Takaaki HIRAGUN
1
,
Michihiro HIDE
1
,
Kyomi MIHARA
2
1広島大学病院皮膚科
2医療法人厚生堂長崎病院皮膚科
1Department of Dermatology, Hiroshima University Hospital, Hiroshima, Japan
2Division of Dermatology, Nagasaki Hospital, Hiroshima, Japan
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
関節リウマチ
,
生物学的製剤
,
インフリキシマブ
,
アダリムマブ
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
関節リウマチ
,
生物学的製剤
,
インフリキシマブ
,
アダリムマブ
pp.397-402
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205432
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要約 53歳,男性.関節リウマチとして加療中.初診2か月前から四肢に米粒大の紫斑と浅い潰瘍が出現し,徐々に拡大・多発した.病理組織学的所見では,表皮は大部分が壊死し,真皮上層を中心に好中球が浸潤していた.血液検査所見からは,Sweet症候群や関節リウマチに伴う好中球性皮膚症は否定的であり,表在型壊疽性膿皮症と診断した.ステロイドの内服で一旦は潰瘍の新生が抑制されたが,減量すると症状が再燃し,シクロスポリンの内服併用は効果不十分であった.抗TNF-α抗体であるインフリキシマブを投与すると,潰瘍はおおむね上皮化したが,二次無効となった.そこで,アダリムマブに変更したところ,潰瘍はすべて上皮化し,投与開始後9か月現在も症状の再燃はない.近年,従来の治療に抵抗性の壊疽性膿皮症に対してインフリキシマブの有用性が報告されているが,アダリムマブも治療の選択肢となりうると考えた.
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