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Rinsho Hifuka Volume 72, Issue 6 （May 2018）

臨床皮膚科 72巻6号（2018年5月発行）

Japanese English

症例報告

初期に掌蹠外膿疱を伴い，後に脊椎炎を生じた掌蹠膿疱症性骨関節炎の1例 A case of pustulotic arthro-ostitis associated spondylitis with extra-palmoplantar pustulation in the initial phase 雁金詩子 ¹ , 渡辺絵美子 ¹ , 宮川俊一 ¹ Utako OKATA-KARIGANE ¹ , Emiko WATANABE-OKADA ¹ , Shunichi MIYAKAWA ¹ ¹川﨑市立川崎病院皮膚科 ¹Division of Dermatology, Kawasaki Municipal Hospital, Kawasaki, Japan キーワード：掌蹠膿疱症 , 掌蹠外膿疱 , 掌蹠膿疱症性骨関節炎 , シクロスポリン , 脊椎炎 Keyword: 掌蹠膿疱症 , 掌蹠外膿疱 , 掌蹠膿疱症性骨関節炎 , シクロスポリン , 脊椎炎 pp.391-395

発行日 2018年5月1日 Published Date 2018/5/1

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205431

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参考文献 Reference

要約　76歳，女性．初診の2か月前から掌蹠に小膿疱が出現した．初診6週間前より咽頭痛を契機に小膿疱が全身へ拡がり，右膝関節痛も生じたため当科を受診した．膿疱の病理組織像は角層下膿疱であった．約3週間で掌蹠外膿疱と膝関節痛は軽快したが，その後も掌蹠の膿疱は慢性に経過した．初診の4か月後から頸部痛が出現した．MRIで第4，5頸椎に炎症像があり，掌蹠膿疱症性骨関節炎(pustulotic arthro-ostitis:PAO)と診断した．シクロスポリンを150mg/日(3mg/kg/日)で開始し，1か月で頸部痛は軽快した．3か月後より100mg/日へ減量して継続し，2年後のMRIで頸椎炎所見は改善傾向を示した．自験例の初期に認めた掌蹠外膿疱は急性細菌性汎発性細菌疹(acute generalized pustular bacterid:AGPB)様であり，病巣感染の関与を疑った．その後に生じた頸椎炎はPAOと診断し，シクロスポリン投与で効果が得られた．