Japanese
English
症例報告
インフリキシマブが著効した壊疽性膿皮症の1例
A case of pyoderma gangrenosum successfully treated by infliximab
吉原 有希
1
,
楠原 優
1
,
吉方 佑美恵
1
,
鴇田 真海
1
,
尾上 智彦
1
,
梅澤 慶紀
1
,
本田 まりこ
1
,
中川 秀己
1
Yuki YOSHIHARA
1
,
Yu KUSUHARA
1
,
Yumie YOSHIKATA
1
,
Mami TOKITA
1
,
Tomohiko ONOE
1
,
Yoshinori UMEZAWA
1
,
Mariko HONDA
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
インフリキシマブ
,
TNF-α阻害薬
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
インフリキシマブ
,
TNF-α阻害薬
pp.85-88
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204978
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要約 76歳,男性.初診の30年前より腹部に炎症と潰瘍を繰り返していた.前医での抗菌薬やステロイド外用・内服による治療で難治であったため当科を受診した.下腹部から側腹部に潰瘍と周囲に発赤が認められ,臨床所見と病理組織所見より壊疽性膿皮症と診断した.シクロスポリン(4.3mg/kg/日)の投与により軽快したが,減量後(2.9mg/kg/日)に増悪を繰り返した.ステロイド外用やシクロスポリンによる治療に抵抗を示すためにインフリキシマブ5.0mg/kgを開始した.治療開始2週間目には皮疹の縮小が認められ,治療開始約3か月目には潰瘍はすべて上皮化した.治療開始後30か月が経過した時点で,二次無効や副作用などを認めず治療を継続している.既存の治療法に抵抗性を示す壊疽性膿皮症にインフリキマブは治療選択の1つになりうると考えた.
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