Japanese
English
症例報告
インフリキシマブが奏効したindeterminate colitisに伴うストマ周囲壊疽性膿皮症の1例
A case of peristomal pyoderma gangrenosum in indeterminate colitis responded infliximab
土井 知江
1
,
田中 文
1
,
山岡 俊文
1
,
横見 明典
1
,
種村 篤
1
,
川井 翔一朗
2
,
飯島 英樹
2
,
片山 一朗
1
Chie DOI
1
,
Aya TANAKA
1
,
Toshifumi YAMAOKA
1
,
Akinori YOKOMI
1
,
Atsushi TANEMURA
1
,
Shoichiro KAWAI
2
,
Hideki IIJIMA
2
,
Ichiro KATAYAMA
1
1大阪大学大学院医学系研究科内科系臨床医学専攻分子病態医学皮膚科学講座
2大阪大学大学院医学系研究科内科系臨床医学専攻消化器内科
1Department of Dermatology Course of Integrated Medicine Graduate School of Medicine, Osaka University, Osaka, Japan
2Department of Gastroenterology, Course of Integrated Medicine Graduate School of Medicine, Osaka University, Osaka, Japan
キーワード:
ストマ周囲
,
壊疽性膿皮症
,
peristomal pyoderma gangrenosum
,
炎症性腸疾患
,
インフリキシマブ
Keyword:
ストマ周囲
,
壊疽性膿皮症
,
peristomal pyoderma gangrenosum
,
炎症性腸疾患
,
インフリキシマブ
pp.863-868
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103786
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要約 41歳,男性.2007年に難治性外痔瘻のためストマ造設術を施行され,術後3日目にストマ周囲に皮膚潰瘍が出現した.発熱と関節痛および皮膚潰瘍の急速な増悪を認めた.2011年4月の当科初診時,ストマ周囲に穿掘性潰瘍がみられ,組織学的に血管炎は否定的で好中球主体の炎症細胞浸潤を認めたため,ストマ周囲壊疽性膿皮症と診断した.CRP 28.96mg/dl,血清IL-8 13.7pg/mlと上昇を認めた.合併症として,炎症性腸疾患を指摘された.皮膚潰瘍は外用ステロイドで治癒し,腸炎と関節炎はメサラジン3,000mg/日内服,週2回のメトトレキサート6mg/日内服でコントロールされていた.半年後に下血を伴い関節痛,皮膚潰瘍が再増悪し,プレドニゾロン1mg/kgの点滴を開始したが減量が困難であったため,インフリキシマブ5mg/kgの点滴を開始したところ,腸炎は著明に改善し,並行して皮膚潰瘍は上皮化した.難治性の壊疽性膿皮症においては,炎症性腸疾患の治療もかねて生物学的製剤の投与を考慮する必要があると考えた.
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