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増刊号特集 最近のトピックス2018 Clinical Dermatology 2018
4.皮膚疾患治療のポイント
難治性コリン性蕁麻疹に対する精製汗抗原減感作療法
Desensitization therapy using purified sweat antigen for refractory cholinergic urticaria
野村 有子
1
Yuko NOMURA
1
1野村皮膚科医院
1Nomura Dermatology Clinic, Yokohama, Japan
キーワード:
コリン性蕁麻疹
,
汗
,
精製汗抗原
,
減感作療法
,
MGL_1304
Keyword:
コリン性蕁麻疹
,
汗
,
精製汗抗原
,
減感作療法
,
MGL_1304
pp.115-119
発行日 2018年4月10日
Published Date 2018/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205400
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summary
発汗時に強い瘙痒を伴った小型の膨疹や紅斑が出現し,同時に強い気分不快や意識消失など全身症状を併発する難治性のコリン性蕁麻疹で,強い汗アレルギー反応認め,さらに通常の薬物療法や発汗調整の対処により症状が制御されない症例においては,精製汗抗原による減感作療法は有効な治療の1つと考えられる.方法は,まず患者もしくは家族の汗を集め,精製し,汗抗原を作製する.精製汗抗原による皮内反応閾値の1/10倍の希釈濃度を開始濃度とし,精製汗抗原250μlを1〜2週間に1回上腕外側に皮下注射する.コリン性蕁麻疹の悪化や気分不快などの明らかな反応がなければ,4回終了ごとに2倍濃度に上げていき,症状が改善した時点で終了となる.当院で精製汗抗原減感作療法を行った6例全例で自覚症状の改善を認めた.なお,精製汗抗原減感作療法の治療にあたっては,患者の協力のみならず,大学病院との連携も大切であると思われた.
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