Japanese
English
症例報告
ミノサイクリンによる色素沈着の1例
A Case of Minocycline-related Hyperpigmentation--Muddy Skin Syndrome
沢辺 元和
1
,
辻 卓夫
1
,
國行 秀一
1
,
濱田 稔夫
1
Motokazu SAWABE
1
,
Takuo TSUJI
1
,
Shuichi KUNIYUKI
1
,
Toshio HAMADA
1
1大阪市立大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Osaka City University Medical School
キーワード:
ミノサイクリン
,
色素沈着
,
muddy skin syndrome
Keyword:
ミノサイクリン
,
色素沈着
,
muddy skin syndrome
pp.33-38
発行日 1989年1月1日
Published Date 1989/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204025
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症例:51歳,男性.初診の約1年前より前立腺炎にて,ミノサイクリン1日300mgの経口投与を受ける,同8ヵ月前より,顔面,項部,前腕等の日光曝露部を中心に,全身に瀰漫性に,茶褐色から黒褐色の色素沈着が徐々に出現してきた.なお,クロルプロマジンやキナクリン,重金属塩等の内服の既往はなく,血液検査等にても特に異常を認めなかった.組織学的には,表皮基底層のメラニン顆粒の増加と,真皮上層の結合織内と血管周囲に多数のメラノファージを認めた.以上の臨床的,組織学的特徴より,本例をミノサイクリンによる色素沈着,特に1979年にSauerが報告した,いわゆるmuddy skinsyndromeに該当する1例と考え報告した.
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