Japanese
English
症例報告
真性多血症と皮膚サルコイドーシスの合併例
A case of cutaneous sarcoidosis associated with polycythemia vera
川村 美保
1
,
水谷 陽子
1
,
周 円
1
,
北川 順一
2
,
市來 善郎
3
,
清島 真理子
1
Miho KAWAMURA
1
,
Yoko MIZUTANI
1
,
En SHU
1
,
Junichi KITAGAWA
2
,
Yoshiro ICHIKI
3
,
Mariko SEISHIMA
1
1岐阜大学医学部皮膚科
2岐阜大学医学部血液内科
3いちき皮膚科
1Department of Dermatology, Gifu University Graduate School of Medicine, Gifu, Japan
2Department of Hematology, Gifu University Graduate School of Medicine, Gifu, Japan
3Ichiki Dermatology Clinic, Gifu, Japan
キーワード:
皮膚サルコイドーシス
,
真性多血症
Keyword:
皮膚サルコイドーシス
,
真性多血症
pp.317-321
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205356
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 66歳,男性.体幹に多発する紅色丘疹を主訴に前医を受診した.外用剤で皮疹はやや軽快するも,新生するために皮膚生検を施行した.病理組織所見で真皮内に類上皮細胞性肉芽腫を認め,当院を紹介受診した.胸部CTでBHLや肺野散布影は認めず,眼病変合併はなかった.臨床所見,病理組織所見とあわせてrecurrent follicular and lichenoid papules型の皮膚サルコイドーシスと診断し,ステロイド外用を開始した.また初診時採血で著明な赤血球増加があり精査したところ,JAK2遺伝子V617F変異,血清エリスロポエチン低値より真性多血症と診断した.瀉血開始となり,治療開始4か月後,赤血球数,Hb値は正常化した.皮膚症状は一部は消退したが丘疹が新生する部位もあり,皮疹に対する瀉血の効果について評価は難しかった.サルコイドーシスと真性多血症の合併は稀ではあるが報告されている.両疾患の関連性を明らかにするためには慎重な経過観察が必要である.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.